美容師の接客に不可欠な話術のスキル｜美容師/美容室の求人・転職専門サイト【ビューティーキャリア】

2019/01/15

美容師の接客に不可欠な話術のスキル

美容師がお客様に提供する“商品”とは

美容師という職業について、「ブリタニカ国際大百科事典小項目事典」では『パーマネント・ウェーブ、美顔、整髪、髪結い、化粧、全身美容などを職業とする技術者』と解説しています。美容師とは、つまり“お客様に美容の技術を提供する仕事”ということですね。
しかし、美容師が、お客様に提供する“商品”は、技術だけではありません。お店を訪れたお客様に、「心地よい時間とサービスを提供すること」もまた、商品の一部なのです。
そんな美容師が提供する商品の中でも特に大切なものが、お客様との会話。会話は、お客様の希望を知り、意思疎通をするためのツールですが、役割はそれだけに留まりません。

美容師に求められる話術テクニック

お客様に、心地よい時間、雰囲気、サービスを提供することも美容師の仕事。店内に流れるBGMや飲み物などは、そんなサービスの一環として挙げられますが、施術中にお客様を会話で楽しませることも美容師の大事な仕事と言えるのではないでしょうか。
とはいえ、基本的に美容師は“技術職”ですから、高い技術を持っていても「人との会話は苦手」という方は少なくないでしょう。「きちんと希望を伝えたのに、希望と全然違うスタイルにされた」とか、「あの人、カットは凄く上手だけど、会話が弾まなくて、なんか空気が重い」というコミュニケーション能力への不満が理由で、お客様のほとんどが一度きりの来店で終わってしまう…。そんな会話下手でリピーターに恵まれないという方のために、ちょっとした話術テクニックをご紹介します。

【トレンド・ネタで共通の話題を探る】

初対面のお客様が、どんなことに興味があるのか?　会話は、まず話の糸口をつかむことからはじまります。特に初対面の方との話の話題には、トレンド・ネタなど無難なものがいいでしょう。ジャンル的には、人気ドラマや芸能ネタ、グルメスポットなど、その時々で話題になっているものであれば、何でもいいでしょう。とはいえ、どんな話題であっても悪口や中傷は、相手に不快感を与え、周囲に重い空気が流れる可能性大。悪口・中傷に進展するような話題は絶対に避けた方がいいですね。

【ペットの話】

無難な会話ネタのひとつにペットの話があります。運よく、お互いに犬や猫、あるいは鳥を飼っていることが分かれば、可愛さ自慢や苦労話で盛り上がるでしょう。もし、自分はペットを何も飼っていなくても、お客様が飼っていれば、その話題を基に話しを展開させていけばいいのです。しかし、双方ともペットを飼っていない場合は、どうしたらいいのでしょうか?　その場合は、例えば「自分は犬が好きだけど、マンションだから飼えないんですよね」と言われたら、「新型のアイボ、凄いらしいですよ。YouTubeで本物の犬と1週間、一緒に過ごさせたら、犬が仲間として認めた程ですから」などと話題を発展させてみると良いですね。要は、相手の話に耳を傾けることで、臨機応変に話題を展開させていくことが、話術の根本テクニックと言ってもいいでしょう。

【次回来店につなげるスタイル・アドバイス】

お客様は、ヘアスタイルを整えるために来店されるわけですから、髪の状態やケア方法といった美容師が最も得意とするジャンルのネタで、会話の糸口をつかむこともお勧めです。また、「お客様は、髪がきれいなので○○○されると、もっと良くなりますよ」とか「小顔だから、次回は思い切ってショートにされてもいいと思います」など、お客様のチャームポイントを褒めて、その魅力をもっと引き出すアドバイスも、次の来店を促す秘訣です。

これは、アウト! やってはいけないNGな話題

前述の通り、悪口や中傷は絶対NGな話題ですが、もしもお客様にそういった話題を振られてしまった場合は、巧くかわして他の話題へ変えていくことが大切です。店舗には、他にもお客様がいらっしゃることが多く、担当するお客様との会話は、他のお客様の耳にも入っていることを常に念頭に置いておきましょう。二人の会話に不快感を感じられた他のお客様がtwitter等で公開し、それが拡散していくことで、お店に悪影響を与えてしまう可能性もあり得るわけですから。また、お客様の個人的な情報を根掘り葉掘り訊くこともNGな行為。お客様が自分で話される場合はともかく、積極的に聞き出そうとする行為は、不快感を持たれる可能性が高く、ましてや店内に他のお客様やスタッフがいる状況では、絶対に避けるべきことです。

コミュニケーションを活用して、リピーター獲得へ

会話は、お客様に自分を信頼してもらうと共に、施術中にリラックスしていただくため。“おもてなし”の重要なツールです。しかし、どんなに信頼を得ても決して忘れて欲しくないのは、“常にお客様の気持ち”を読み取ること。お客様との会話では、“空気を読む”ことが重要なのです。会話が弾み、お客様に心地よい時間を提供することによって、他の業種ではなかなか築くことができない信頼関係が生まれることも珍しくありません。さらに生涯の大切な友人になることもあるかもしれません。美容師は、お客様とのそんな素敵な関係を築くことができる職業と言えるのではないでしょうか。