
ビューティーキャリアTOP > 特集 > 美容師の本音 > 【美容師座談会 スペシャル企画】第1回

サロンのブランディング、コンセプトの共有について

司会)
みなさんのサロンは濃いDNAをお持ちだと思うので、中途で入った子が突然変異しようとしてもなかなか難しいものがありますよね(笑)。 30代で新しくお店を出された若いオーナーさんの話を聞くと、なかなかそこまでのDNAというか、強いコンセプトを作り出せない方が多いですよね。自分自身が揺れてしまうようで…
竹内)
僕らはオーナーになったときは野心の塊というか、しょっちゅう熱く語っていたけどね(笑)。自分のビジョンがあって独立したわけだから。
司会)
新しい世代を盛り上げていきたいと思っている中で、発信源であるオーナー自身が弱いとなると今後の不安にも繋がりますよね。
水谷)
僕が思うのは、その子たちが入った環境もあると思う。その子が育ったお店のオーナーが凄いカリスマ性があって、そこで店長を務めていた人がサロンをオープンしても成功して無い例が多いんだよね。これは威圧感で、彼はただ働いていただけ。自分らしさを作ってなかった。それが危険ですよね。
竹内)
僕もよく聞くのが若手のオーナーさんで苦労している人って、以前は店長として仕事もできて、スタッフからの信頼もあって、で、独立した途端に人は全然つかなくてすぐ辞めちゃうとか。要は、いい技術者と経営者っていうのは別ものなのかな~って。我々もそれは同じなんだけど、それが特に今の30代に多いようですね。
三浦)
やっぱり前にいた店の環境が良すぎたんじゃないかな。そこに居たからやれただけで、実際自分がやってみたら違ってた、みたいな。僕らの頃ってそんなに環境が整ってなかったから、だから余計野心もあったし、今の子たちは恵まれ過ぎているお陰で、「自分がこうやっていく」っていう強い芯が無いように思える。
竹内)
あと、こんなに美容室が多いと大変だよね(笑)。
司会)
そうですよね。新しいからって来てもらえる時代では無いですからね。そういう中で先ほどから出ている個性が大事になってくるわけですが、たとえば、それが無いとして、無いところから作っていくにはどうすればいいと思われますか?
水谷)
人は環境で育つから、やはり環境作り。我々はファッション産業なわけだから、あくまでもファッション産業として特化する部分を自分なりに作って、それをスタッフに教育していかないと。それをしないといつまで経ってもどこにでもあるノーマルなサロンですから。 お客さんからもセレクトされないだろうし。
司会)
三浦さんのところは、街を歩いていても「あ、『clear』さんの所のスタッフだな」って分かるくらい、“可愛い”を共有されていますよね。
三浦)
やはり基本的に僕らはそれが好きで始めたわけで、やっぱりそれが好きなスタッフが集まってくるんだよね。もちろんそれは初めから確立しているわけじゃないから、急にっていうのは無理なんだけど、何年かの歴史があって、積み重ねで築いていかないといけないと思う。
司会)
積み重ねていくものなんですね。そのためにも最初に持っている「これが好き! こういうお店を作りたい!」というオーナーの想いの強さが必要となってくるわけですね。
第2回 所見)
美容師としての自分らしさという個性はもちろん、サロンを経営するには自分の強い意志が必要。店自体のコンセプトを明確にし、その個性をスタッフと共有していくことが成功の鍵となるようです。続いてもサロンのあり方について詳しく聞いていきたいと思います。
司会)
個人の個性はもちろん、サロンにおいても個性は必要不可欠ということですが、お店では、その店自体の個性やコンセプトをスタッフさんとどのように共有されているのですか? また“この店ならでは”というのが分かるブランディングにおいても力を入れてらっしゃるのですか?
鈴木)
うちの場合だと、ファッションでも「何だ?その恰好は」とか「その組み合わせはおかしくないか?」とか細かい指摘もたまに。ひどい時は「家帰って着替えてこい」とか。 いやね、あんまりにも違う恰好されてきちゃうと…。さっきも出たけど、洋服買いに行って、自分と全然違うセンスの子に洋服売られても気分が乗らないでしょ。それと一緒で、店の空気に合わないファッションはちょっとね。
司会)
「着替えてこい」はキツイですが(笑)、磨き合いながらそれが共有にも繋がるということですね。
水谷さんのところはどうですか?
水谷)
そうですねぇ、オープン当初からその店のスタンスってあるじゃないですか。たとえばうちだったら「PER-HAPSガール」。「『PER-HAPS』の可愛い女の子を作ろう」って思ってスタートしているわけですよ。これは今でも変わってなくて。だから応募してくる子も、うちが提案するイメージに興味を持っている子が来るし、そのイメージに合った子が来る。うちのイメージとまったく違う子は絶対入ってこないんですよ。なので、特にスタッフにうちのスタンスを押し付けることなく、自然と一体化されているんですよね。
竹内)
そうそう、そこのスタッフやお客さんが付くんだよね。スタッフも面接で色んな人が来ますけど、やっぱり『ORIGIN’S』らしい子が多いですよ。たまに、ちょっとうちと違うタイプの子もいて、たまにはこういうタイプも入れてみようかなって入れてもやっぱり続かない(笑)。結局お店らしさは、自分たちで強く作っているつもりはないんだけど、ひとつの形として成り立っているんだと思います。
水谷)
10件同じ店が並んでいても潰れないっていうのはそこなんだよね。同じものを売ってても、会社の考え方というか、お店の考え方が好きだから、それぞれの店にそれぞれの人が入るっていう。
竹内)
逆に個性がしっかりあってブブランド力のある店の場合、たぶんみなさんも基本的に新卒から入れて育てていくっていう形だと思いますが、中途で入ってくる子はよほどの根性がないと続かないよね。大手チェーン店系でしょっちゅう募集をかけている所だったら、どんな人でも割りと受け入れやすいと思うんだけど。