
ビューティーキャリアTOP > 特集 > 美容師の本音 > 【美容師座談会 スペシャル企画】第1回

選ばれるサロン作りにおいて

司会)
なるほど。それぞれのお店の個性が差別化に繋がっているということですね。やはりサロンというのは、入った時の空気感にそれぞれ差があると思うのですが、それをもっと分かりやすく世間にアピールするための試みはありますか?
鈴木)
うちが提案するスタイルはキュートといっても、ただ可愛いキュートではなく、大人の女性の美しさの中に、可愛らしさを引き出す「大人のキュート」がコンセプトなわけなんだけど。最近の若い子、特に小学生後半から中学生の子の傾向が大人っぽくなってきてるじゃない。フェミニン系の大人っぽさというか。僕は、ただのフェミニンとかエレガントとかコンサバ系になっても面白くないって思うんだよね。そんな子たちも含め、おしゃれ変身術みたいな、ちょっとワンポイント加えるだけでこんなに変わるんだっていうことをどんどん世に出していきたいね。 ただ、最近の美容師さんがねぇ…名古屋駅周辺でスタイリストバッグ持って歩いている美容学生を見るけど、美容師らしい美容師さんって居なくなりましたよね。お客さんに“美”を提供するわけだから、それなりの個性というか、意識がないと…
一同)
ホンットにいないよね!
司会)
美容師らしい美容師とは?
竹内)
今とは全然違う! 昔は一目で美容師って分かるほど、個性をガーンって出していたんだよね。時代が違うっていえばそれまでだけど。
鈴木)
みんな一緒だもんね。若いお兄さんたちもホスト系みたいなのばっかりだし、女の子も普通の茶髪で(笑)。
竹内)
そうそう、女の子でも後ろが超刈上げでかっこいいショートの美容学生とか、そういうハチャメチャな子が全くいない。
水谷)
時代は変わってしまったね…(笑)。僕らが育ってきた時代ってのはさ、コムデギャルソンとかヨージ・ヤマモトとか、あの辺の斬新なデザインがガンガン出てきた頃だから、その影響もあったのかもしれない。
司会)
特に最近のファッション産業は3年サイクルと言われていて、アイテムも常に変わりますし、お店自体も独自の個性よりも、流行るもの、客に受け入れられるものを取り入れる傾向になっていますが、そういった流れにも影響があるんでしょうね。
水谷)
ファッションもそうだけど、考え方も平均化されてるよね。学生との面接で「どんな美容師になりたい?」って聞くと「お客さんを可愛くしたい」ってみんな同じ答え。その辺にもっと別のビジョンが欲しい。
三浦)
「お年寄りから子供まで幅広く」とかね(笑)。
竹内)
あと、志望動機が「スタッフ同士の仲が良さそう」って多い。職に関するこだわりより、人間関係を重視するのはおかしいでしょ。そういう子が入っても何かあったらすぐ辞めちゃうからね。
三浦)
美容学校がそう指示しているのかもしれないけど…だから“らしさ”が無くなるんだよね。やっぱりサロンとしては“らしさ”を売りにして、そこにお客さんが付いてくれるわけだから、スタッフもそれなりのプライドを持ってもらいたい。
水谷)
みんなそもそも遊びを知らないよね。もっと色んなところ行って遊ぶってことしなきゃ。美容だけの“美容オタク”じゃだめだよ。もっと世間を見た方がいい。
第3回 所見)
“選ばれるサロン作り”という面に対しては、店側からのアピールより、その店の持つ確立されたオリジナリティが客を引き寄せるという意見で一致。ただ、期待したい次世代の個性、意欲の低迷に少々不安を感じるオーナーたち…
司会)
前回までのお話では、サロンの持つ個性をスタッフと共有することで確立されたものに繋がるということでしたが、その「お店らしさ」を世間にアピールする「アウトプット」の面では、何か取り組みをされていますか? 『LA PENSEE』さんだとヘアショーなどで他とのコラボレーションされたり、オリジナルの商品を出されていたりなど、次々と新しい取り組みをされていますよね。そういうアイディアは鈴木さんが思い付くのですか?
鈴木)
どっかのパクりかも(笑)。 確かに自分たちがいいと思ったことはどんどん公表してますけど、世間に露出というより、みなさんをはじめ、この栄地区でも身近なライバルとして「負けたくない、頑張りたい」っていう思いもあって、スタッフ共々新しいことには色々チャレンジしていきたいと思っています。
司会)
その非常に『LA PENSEE』らしい世界感をしっかりと共有されているわけですね。
鈴木)
新しい取り組みはそうですけど、やっぱり美容のスタンス、自分の所らしさっていうのはしっかり把握した上で行動を起こすことも必要です。簡単な例でいうと、栄地区の美容師を端から端に並べてみるとして、この店はフェミニン系、こっちはキュート系、自分の店はどの辺に位置するのかをスタッフのすべてに認識させておくこと。その基本から外れてあれこれやってしまうと、『LA PENSEE』らしさという軸がずれて、違った方向に行ってしまいますからね。「自分たちの姿勢は崩さない」が鉄則です。
司会)
飲食店であれば、和食・中華・フレンチ・イタリアンなどジャンルが明確に分かれますが、美容室の場合、美容業界のくくりの中でのジャンル分けとなると難しいかと思われます。そういった面での差別化においてどうお考えでしょうか。
水谷)
実際にはしっかりと差別化されているんですよ。それをお客さんがどこで判断するかっていうだけで。
竹内)
「差別化って何をされてますか?」ていうのが一番難しい質問なんだよね(笑)。よく使用している商品をアピールするサロンってあるけど、それは差別化とは違うと思う。商品なんてどこの店でも置けるし、キャラクターとして考えるとまったく別。商品だったりヘッドスパだったりっていう目に見えるものもあるかもしれないけど、店の持つ雰囲気だったり、居心地、カラーやパーマなどの得意分野、料金的な面もあると思うし、そういった部分をお客さんが判断して自分に合った店を選ぶ。それが差別化だと思うんだよね。自分たちがあえてアピールするわけではなく、自分たちに合ったお客さんが入ってくるっていう。