
ビューティーキャリアTOP > 特集 > 美容師の本音 > 【美容師座談会 スペシャル企画】第3回

クリエイティブ(作品)について

司会)
その作品により生まれたスタンス、考え方の変化をお聞かせください。
柴山)
僕は、アシスタント2年目のときに応募した『ミルボン フォトコンテスト』の作品です。表紙を飾るカバー賞を受賞しました。自分が素直に“いい”と思った作品が国内のコンテストで認められたことで、名古屋だけでなく、もっと広い範囲に目を向けてもいいんだという意識と自信に変わりましたね。それまではサロン内でいいものを作り出す気持ちしかなかったんですけど、頑張ればもっと表舞台で通用するんじゃないかと。
司会)
柴山さんがアシスタント時代に受賞されたんですよね。 それはスタイリストの作品も含まれた中からですか?
柴山)
はい。全国から約2000人の応募があったと思います。
司会)
その中から表紙を勝ち取ったという結果は確かな自信につながりますよね。竹本さんはいかがですか?
竹本)
実はとても思い入れのある作品があったんですけど、その作品が手元になくて。それは2002年の『START』というコンテストで賞を貰った作品なんですが、ショーで作品を発表するコンテストだったので、写真を残してなくて。そのコンテストというのが、何度チャレンジしてもなかなか結果を残せなくて、毎回悔しくて悔しくて。その思いをバネに必死で頑張って、やっとの思いで受賞できた作品でした。思わず号泣してしまいましたよ。作品に一生懸命だったので、自分で写真を残すまで意識が回らなかったんでしょうね(笑)。
司会)
ずっと目指していた目標が叶ったわけですね。
竹本)
はい。そのコンテストはオリジンからも何人か出品していて、同じく賞を取れてなかったんで、みんなで悔しい思いを共有して頑張っていましたね。
その後に別のコンテストでいただいた作品がこちらです。柴山さんと同じ『ミルボンフォトコンテスト』のもので、ベストデザイン賞をいただきました。あとこちらは業界誌の『美容文化』で表紙を担当させていただいたときの物です。名古屋で活躍されているスタイリストの作品ばかり掲載されている雑誌で、私も毎号楽しみに見ていたので、自分も参加できたという満足感は忘れられません。
司会)
これらの作品を通して、何か変化は生まれましたか?
竹本)
『START』の時もそうでしたが、スタイリストとして認められたことで、サロンワークでもデザインに対して敏感になり、お客様の要望通りだけでなく、そこにデザイン的な要素を取り入れるようになりました。スタイリストとしての楽しさや自分の中での仕事の幅が広がった気がします。当時のマネージャーにも「最近いいね~」とか褒められたりして。
司会)
なるほど、新たなやりがいを発見できたきっかけになったと。中島さんは何をお持ちに?
中島)
私は、7~8年前作った『BEAUTY WOO』の作品と、初めて全国レベルの大会『Japan Hairdressinng Award(JHA)』で入賞した作品です。『BEAUTY WOO』の方は、感覚を重視して楽しく自由に作った作品として思い出深いんですが、『JHA』の方はとても刺激を受け、勉強になった作品です。というのも、モデルさんがすごく意識が高く、こだわりを持っていた方で「これはコンセプトと合わない」とか「何を表現したいのか分からない」とか意見をはっきり伝えてきてくれるモデルさんで。
一同)
へぇ~、珍しいね~。
中島)
そのとき、自分がしっかりとしたコンセプトやイメージ、考えを持って取り組まなきゃいけないんだという責任感を初めて認識させられました。モデルさんはもちろん、カメラマンさん、他のスタッフもその作品にすごい情熱を注いでいて。私があやふやな態度ではみんなに失礼だなっていう気持ちも生まれました。とても勉強になり、成長させられた思い出の作品です。サロンワークでお客様を担当させて頂く時もどんな女性になりたいかイメージして、コンセプトをしっかり持つことにも繋がっていると思います!
司会)
それはとても貴重な体験でしたね。
中島)
賞を取れたうれしさよりも、仕事、作品作りにおいてプロ意識を教わったことに感謝しています。
司会)
伊藤さんはいかがでしょう?
伊藤)
僕は自分が手がけた中で、最も刺激を受けた作品と、壁にぶちあたって苦悩の連続だった作品を持ってきました。
まずは『2006年JHA』で優秀新人賞を頂いた作品です。ちょうどこの撮影の直前にNYコレクションで尊敬するヘアメイクの方と一緒にバックステージをやらせていただいたんですが、やはり世界レベルの方はめちゃめちゃタイトなスケジュールだったにも関わらず完成度はすごくて。既成概念にとらわれない自由な発想とか参考になる部分が多くて、そこで得たものが、そのまま反映された作品で思い出深いです。
一方こちらは、『HAIR MODE』という雑誌の撮影で、デザイナーのスズキタカユキさんの衣装を借りたんですが、どうしてもヘアが衣装に負けちゃうんですよ。どれだけ考えても答えが見えずに、突き詰めて突き詰めて。物作りであんなに苦しんだ仕事は今までないですね。睡眠不足で撮影当日はフラフラ(笑)
司会)
その経験で変化したことはありますか?
伊藤)
今まで完璧と思っていてもさらに突き詰めることで完成度が増すというか、その奥があるっていうのを学びましたね。
司会)
なるほど。デザインの奥深さを実感されたわけですね。土屋さんの思い出の作品というと?
土屋)
スタイリストになって初めて撮影をした作品を持ってきました。その頃、あんまり作品撮りには興味がなかったんですけど…。かなりアート寄りでちょっとハズれちゃうくらいのデザインを提案する東京にあるサロンが好きで、そこの作品と同じようなデザインができないかなって思ったのがきっかけですね。大きな賞を貰えたわけでなく、入賞したっていうレベルなんですけど、やっぱり選ばれたっていうのがうれしくって、またやりたいなって思うようになりました。で、いろいろ撮っていった中のひとつがこれなんですけど…。私、みなさんのようにヘアスタイルを重視してなくて(笑)。全体のイメージだけで撮っていたのが多く、ヘアよりメイクに力を入れたり、見せ方にこだわったり。アート性に寄り過ぎちゃってたんですよね。けれどこれを見たときに、自分たちはヘアスタイル作って見せなきゃいけないっていうことに気づいて、それからはヘアを作るデザイン性を考えて作るようになりました。まだまだ勉強中ですけど。
司会)
自分の作品が自分の欠点を見つめなおすきっかけとなったわけですね。みなさん貴重な作品とお話をありがとうございました。
某有名サロン勤務を経て今年『tremolo』をオープン。数々のメディアのほか、NYコレクションでも活躍経験を持つ実力派スタイリスト。
クリエイティブ性に特化し、そのセンスと技術は国内でもトップクラス。サロンではスタッフと客の幸せを一番に考える人柄のよさも魅力。
「人同士のつながり」を大切に、ゲストへの思いやりと真剣に向き合う姿勢をスタッフと共有し、サロンの高いリピート率を確立。
食と美容を融合させ、体の内外からのトータルビューティを提案。話題の複合ビルにて全体を統括するやり手ディレクター。
ラグジュアリーな大人サロン『SERIO本山』において、約20人のスタッフを統括。上質な技術、ホスピタリティに定評がある。
≫SERIO MOTOYAMA(本山店)のサロン求人情報を見る第3回 所見)
華々しい作品の裏には多大なる努力や苦労が隠されていて、サロンワークだけでは分からない貴重な体験がスタイリストとしての高い意識や技術の向上につながっているようです。第4回ではそのクリエイティブな部分について、さらに詳しく聞いていきたいと思います。