メンズカットは違法？トンデモ美容師法規制｜美容師/美容室の求人・転職専門サイト【ビューティーキャリア】

2015/06/24

メンズカットは違法？トンデモ美容師法規制

古くに制定された美容師法、理容師法には、いまの時代とは合わない規制が実はたくさんあります。有名無実化しているのが現実ですが、今月（2015年6月）政府の規制改革会議で、現代に合わせて規制が見直されることが決まりました。その内容とともに、まだまだたくさんあるトンデモ美容師法をご紹介します。

理容師、美容師の違いとは？

理容師・美容師の明確な違いはご存じですか？どちらも国家資格ですが、法律では下記の通りにその役割が規定されています。

【理容師】
この法律で理容とは、頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えることをいう。
（理容師法第一条二項）
理容師は、理容所以外においてその業をしてはならない。
（理容師法第6条第2項）

【美容師】
この法律で「美容」とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう。
（美容師法第二条一項）
美容師は、美容所以外の場所において美容の業をしてはならない。
（美容師法第7条）

つまりは、「カットは理容師の業務、パーマや化粧が美容師の業務」と決められており、さらには、「同じ営業所で、理容師と美容師が一緒に仕事をすることはできない」ということなのです。

どうして美容室の男性のカットは違法なのか？

理容師法と美容師法には、理容師や美容師が男女のどちらかしか扱ってはいけないという明記はありません。しかし、1978年に旧厚生省から出された“通知”で、美容師による「男性へのカット禁止」と定められ、美容師は女性に対してはその他の行為と関係なくカットは可能ですが、男性のカットを行うのは美容の一環としてしか認めないと規制されました。

つまり、美容師によるメンズカットは「パーマなどと一緒にカットするのはOK。カットだけはNG」というわけです。現代の状況には合っていないトンデモナイ規制が今も続いています。（“通知”は法律ではありませんが、行政内部での基準であるため基本的には守らなければなりません）

規制緩和でどう変わるの？

美容室では男性のカットのみが可能に、理容室では女性のパーマが可能になります。ただし今後も、美容師は髭剃り（シェービング）はできませんので、髭を剃ってもらうのが好きな男性の方は理容室へ行く必要がありますね。

また、理容師と美容師は同一の場所で働いてはいけないという規制もありましたが、今回の緩和によって「職員すべてが、理容師と美容師の両方の資格を持っていれば、理容室と美容室を兼ねた店舗を開業できる」と変更されます。ユニセックスの理美容室が今後増えるかもしれません。

ほかにもある！美容師にまつわる規制

理容室には「洗髪台」を必ず設置しなければならない（※一部地域）

髪を吸い取る手法の1000円カットなどでも、洗面台の設置が義務づけられているそうです。

外国人は美容師として就労できない

美容師免許を日本で取得しても、就労ビザの対象とならず日本で就労できません。 ※在留資格（日本人の配偶者等、定住者、永住者、永住者の配偶者等）があれば就労可能です。

アイラッシュ（まつ毛エクステ）業務を行うには美容師免許が必要

髪には一切触っていなくても他人へのアイラッシュには美容師免許が必要なのです。

美容師、理容師の立場や、お客様の安全を守るために制定された規制。人材不足も問題になっているなか、時代に合わせて規制緩和の議論をしていくべきですね。

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