
ビューティーキャリアTOP > 特集 > 美容師の本音 > 【美容師座談会 スペシャル企画】第1回

経営者から見た美容業界の現状とサロンの個性について

水谷)
あと、個性がないよね。持っていたとしてもそれを表現しないのか、できないのか…。 昔だったら同僚にライバル心を燃やしたりしたけど、最近の子は競争嫌いだから。ゆとり教育で育った環境にも問題があるのかもしれないよね。営業的な物の考え方とか評価されるのが苦手になって、そのせいで個性が無くなっていく。さっきも出た「とんがっている」子がいないのも時代的な問題だろうね。
司会)
では、個性を磨くには何が必要でしょうか?
水谷)
環境が個性を磨く場合もあるし、こうしたから個性が磨けるっていう答えは無いんじゃないかな。
鈴木)
やっぱ好奇心を持って動くってことだよね。休みの日でも美術館に行くとか。家にいると昔は怒られたからね。
水谷)
自分はお金が無くても無いなりに、街に出て人間ウォッチングしたりしたけど、今の子はお金が無いからって諦めちゃってるよね。 あ、オススメなのが養老公園(笑)。そこにある「養老天命反転地」は面白いよ~。意外と知られてないんだけど。いろんなオブジェがあって、歩いて周るんだけど。ひっくり返って見たりするの。あれは感性が豊かになりますよ。これからの美容師さんにも超オススメのスポットだね。
司会)
時代の流れにより、若い世代の個性が失われつつある中で、逆にいうとみなさんのお店は名古屋のサロンの中でも個性が色濃く出ている、コンセプトを強く感じるサロンというイメージですが、そういったサロンにおいても個性は重要なのでしょうか。
水谷)
もちろん店自体に個性がないと、増え続けるサロンの中で生き抜いて行けないですから。
竹内)
たとえば僕たちも洋服を買いに行って一歩店に入ると、「何か違う」っていう雰囲気があるじゃないですか。そうすると自分に合った別の店に入る。それと同じで、それぞれのサロンの個性や雰囲気に合ったお客さんが自然と入ってきてくれるんです。そういった意味では、お客さんに選ばれる個性作りは重要ですよね。
司会)
なるほど。今美容室は22万件あると言われています。その中で選ばれるためには、やはり個性やコンセプトがキーポイントになるわけですね。
第1回 所見)
ビジネスモデルの多様化により、働きやすい環境になりつつある現代の美容業界ですが、そんな状況が今後美容師を目指す若い世代の個性や自主性の低下につながるという皮肉な現状に。「選ばれるサロン」という面でも、個性は重要なポイントであることが分かりました。
司会)
第3弾となる今回は、サロンを経営するオーナーの方々にお集まりいただきました。経営者の視点から見る美容業界の現状やスタッフに対しての教育方針、長年美容業界に携わった上で振り返る“美容師”という職業について、さらにはオーナーを目指しているスタイリストへの助言など、色々とお聞きしたいと思います。
まずは業界の流れにおいて、ここ数年で何か違いは感じられますか?
竹内)
確実に言えるのが、美容学生自体が減ってきているようですね。毎年大量に採用するわけではないので直面することはありませんが、ただ、今後は「いい人材を確保する」という面で選択肢が減るわけですから厳しい現状ではありますね。
三浦)
うちも面接数が圧倒的に減ってきています。面接に来る子も普通というか、つまらない子が多い。
司会)
つまらないというと?
三浦)
言い方が悪いけど、僕らみたいな昔の美容師にはよく見られた「おおちゃく」というか(笑)、とんがっているタイプが全く居なくて、マジメ過ぎなのか、のし上がろうという向上心が感じられないんですよ。
司会)
確かに今の新卒世代の子は考え方がシビアなようですね。
三浦)
面接で「独立したいの?」って聞いてもそういう意思を持つ子はいなくて、とりあえず美容師をやれればいいっていう。
竹内)
そう、独立傾向って減ってるよね。
司会)
若い世代の向上心の低下においてですが、現代のヘアサロンは、多店舗展開などビジネスモデルの多様化が見られますよね。それにより働くシチュエーションが以前より幅広くなり「比較的働きやすい」という現状と何か関係があるのでしょうか?
鈴木)
不景気の真っ只中に産まれた我々がこの業界に飛び込んだときは、物欲意識の塊で、どんな状況だろうと「関係ねぇ」ってやってきたけど、やはり時代とともに経営の仕方も改善せざるをえなくなり、それに対して新卒で入ってくる子はこの改善された状況が当たり前になっているから、強いこだわりや物欲意識が無くなってきているのは確かだと思う。