
ビューティーキャリアTOP > 特集 > 美容師の本音 > 【美容師座談会 スペシャル企画】第1回

サロンのブランディングについて

司会)
早速ですが、まずはサロンのブランディングについてお伺いします。みなさんは店長クラスの方々ということで、ブランディングにも深く携わってらっしゃると思いますが、その点をどう捉えていらっしゃいますか?
伊藤)
ウチはオープンさせたばかりなので、これから築き上げていくところなのですが。サロンコンセプトとしては、ヘアもファッションと同じと考え、毎日の装いを楽しむようにヘアスタイルも楽しんでもらいたい。服を1着1着紡ぐように、ヘアスタイルもオーダーメイドで仕上げていくアトリエ的なイメージ。
より多くのお客様に利用してもらうというより、スタンスに共感してもらえる方が集まってもらえればいいかな、と。名古屋にはたくさんのサロンがありますよね。そしてそれぞれ特化した部分を持っている。お客様はその特化した部分でサロン選びをすると思いますので。
司会)
なるほど。間口を広く持つのではなく、サロンのスタンスに合ったお客様に利用してもらいたい、ということですね。中島さんはいかがですか?
中島)
これから入ってくる若い子にいつも伝えるのは、SERIOは「環境」と「人」と「技術」の3つを柱にしているということですね。環境というのは、居心地よく働けて、好きなことができたり、お休みを多く取れるとか。スタッフ同士の関係も働きやすい環境のためには大切ですよね。
それぞれが思いやりを持って、温かく、楽しい雰囲気作りをしましょう、というのが人の部分。技術はデザインをしっかりと形にできる腕を身につけられるといった教育環境ですね。
竹本)
私たちのサロンもその3本柱はほとんど一緒なんですけど、美容師というのは定年がなくずっと続けられる職業ですよね。その点に着目して、たとえば女性だったら結婚・出産しても復帰できる環境作りや、福利厚生などを充実させてより働きやすい職場を目指しています。
オーナーがいつも私たちに話しているのが「美容師の地位をもっと向上させるべき」という考え。美容師という職業がもっと社会的にも認められるためには、これまでの美容室で不安要素だった保障面を改善していく必要があると。それをウチからどんどん発信していきたいというのが現状ですね。
司会)
なるほど。ありがとうございます。柴山さんはいかがでしょう?
柴山)
うちは“デザイナーズサロン”って謳っているだけあって、ヘアショーや撮影など、デザインを全国に発信するクリエイティブな部分をアピールしています。
作品の創造を通して、多くの情報収集、美意識や感性の向上につながるのはもちろん、お互い刺激を受けながら切磋琢磨して、クオリティの高い技術が身に付く。そうすることで得た技術をサロンワークでお客様にキレイになって喜んで頂く、というのがスタンスです。
司会)
クリエイティブな活動とサロンワークをうまく融合させているわけですね。
LA PENSEEさんも最近リニューアルした複合ビルが話題になっていますが?
土屋)
私たちが提案したいのは“トータルビューティ”ですね。今回のビルには、美容以外に「身体の中からキレイになってもらいたい」という考えから、食にこだわったカフェを併設しています。身体の中から爪の先までトータルでキレイになれる、ビルからは身も心もキレイになった人ばかりが出てきて欲しいという願いがあるので、そういった意味ではとても分かりやすいビルができたなって思います。
司会)
さすがみなさんのサロンはしっかりとした柱が確立されていますね。
その柱でもあるブランディングをスタッフの間で共有し、ひとつとなるためにはどのような策を取られていますか? 特にスタッフさんが多いサロンでは難しそうですが…?
中島)
共有という目的ではないですが、社内コンクールが当てはまるかもしれません。
司会)
コンクール?
中島)
はい。SERIOでは、パーマやカラーの施術を任せる前に、それぞれの項目ごとにコンテストを実施します。モデルを使ってメイクやファッションもトータルでデザインして、それを全社員スタッフの前で披露する。審査員は基本的にトップの方たちではなく、同僚たち。そうすることでお互いの励みややる気につながるんですね。もちろん今後お客様への施術を任せるわけですから、上部のスタッフによる基本的な技術のチェックはしっかりします。
司会)
そこの作品では、やはり“SERIOらしさ”というものが表れるものなんですか?
中島)
いえ、そのコンクールは完全に自由な発想で好きなスタイルを表現する場ですね。もちろんSERIOらしさというのは大切ですが、いつも先輩たちに指示を受けながらサロンワークをしているので、この場はあえて個性を尊重し、好きなようにデザインする場。誰からも何も言われないのでみんな楽しんでやってますよ(笑)。「働きやすい環境」「デザインを形にする教育」というスタンスがそういう流れの中で、浸透していっているのだと思います。
竹本)
ウチは…さっきの「美容師の地位を上げる」という話に関しては、オーナーがしょっちゅう全員を集めて話すんですけど(笑)。
司会)
それはどのくらいの頻度で?
竹本)
月に1回くらいですね。
司会)
「ORIGIN'Sをこうして行きたい!」という熱意を?
竹本)
あと時代の背景とか、今後進むべき道についてとか…ほかにも。上に進めなくてモンモンとしてる子たちに向けて打開策も真剣に話してくれるので、入社したばかりの子でもしっかりと理解していますね。
あとは年に2回作成している「オリジンスタイル」というお客様に配るサロン誌。それぞれが自由に好きなスタイルを作り上げ、掲載するという内容なんですが、載せる記事ひとつから自分で考えてます。「オリジンスタイル」という1つの目標のためにみんなが頑張ることで一体感が生まれているような気がします。
デザイン的な向上に関しては、年に1回ウィッグを使用した何でもアリのコンテストを開催しています。人に対してではないので、レインボーに染めてくる子とかいたり見ていて面白いですよ。私も刺激を受けますね。枠をなくして自由に表現するのって逆に頭を使うので、そこでクリエイティブな部分が強くなれればと思います。
司会)
目標を定めることでそれぞれが成長しながら1つになれるってすばらしいですね!
LA PENSEEさんはどうですか?
土屋)
社内の活動としては年に4回、シーズンごとの撮影会というのがあります。1人のモデルさんに対して、スタイリスト1人+アシスタント2~3人がチームになって、旬や季節感を取り入れつつ、ファッション、メイク、ヘアスタイルをトータル的にデザインしてプロのカメラマンに撮影をしてもらう会。内部に対してはこの撮影会が主で、外部にはヘアショーとか業界誌などでクリエイティブ性を打ち出していますね。
司会)
内部の撮影会というのも自由な発想で?
土屋)
基本的には自由なんですけど、着目するはモデルさんへの“似合わせスタイル”。それができないとお客様にも実践できないし、サロンワークにもつながらず、ただやりたいだけで終わっちゃうので。
撮影会ではbefore・afterがあって、beforeは撮影の前日に全員の前で「今回はこういうテーマでこういう形にしました」っていう説明をしてもらいます。afterは撮影した写真を見ながらの反省会。beforeでは、「テーマとモデルが合ってないよね」とか、「何でこのテーマにしたの?」とかすごい突っ込まれたりして。本番前に急遽スタイルを変える場合も少なくないですよ。
司会)
伊藤さんはこれからそういうことをされていく側だと思いますが、現時点で何かされていることはありますか?
伊藤)
僕はベーシックに、今の時期だったら秋冬のトレンドを把握して「次の春はこういうデザインのファッションが来るからスタイルもこんな感じで行こうか」というように、方向性をスタッフと話し合う一連の流れは組んでますね。
あとは、とにかくデザインについて話す時間はすごく大事だと思うので、常に「これいいよね」「このスタイル出したいよね」「もっとこうするといいよね」とか真剣に話し合うことで、共有できてくるんじゃないかなと思っています。
司会)
コミュニケーションを密にして、ということですね。
伊藤)
まだ人数が少ないからできることなのかもしれないけど。
司会)
みなさんの個人的な意見で「ここのブランディング上手だな、上手く引き出せてるな」っていうサロンさんはありますか? もちろんご自身のサロンでも!
一同)
それはLA PENSEEさんでしょう!(笑)
土屋)
え~、いやいやいや、何で!? REMIXさんはREMIXさん、SERIOさんはSERIOさんでみんな違うと思うし…
伊藤)
LA PENSEEさんはまったくブレないよね。美容室美容室してないっていうか。
司会)
トータルビューティっていうのをちゃんと打ち出されている?
竹本)
オシャレですよね!
土屋)
何で!? 今日みんなうまい~(笑)。
ウチも少しアートに偏った時期があったと思います。それから、時代の変化・価値観の多様化・スタッフが多く入社したことなどで、外部への強化・サロン内での強化につながり、バランスが上手く取れてきたんだと思います。今は時代性を踏まえて“今のLA PENSEE”を作っていかなきゃいけないっていうことで辿り着いたんですよ。
竹本)
今までアート寄りだったのが、サロンワークにも力を入れて営業側に付けちゃったのがすごいと思うんですよ。しかもそれがみんなに伝わってるんですよね。1年生も2年生も。どこを切ってもLA PENSEEさんらしさが出てくるっていうか。
中島)
ほんとそうだよね~。
土屋)
もういいですよ、次行きましょう、次(苦笑)!
SERIOさんだってお話の仕方とか接客の態度とかすごいな~って思う。
中島)
LA PENSEEさんも出迎えの姿勢とかすごくいいじゃないですか。どうやって教えてんのかな~って思う。
土屋)
ヒロエさん(中島さん)よく営業中に電話かけてくるもんね(笑)。「あれってどうしてんの~?」とか。全然急用じゃないのに(笑)
中島)
だって知りたいんだもん。
一同)
爆笑
某有名サロン勤務を経て今年『tremolo』をオープン。数々のメディアのほか、NYコレクションでも活躍経験を持つ実力派スタイリスト。
クリエイティブ性に特化し、そのセンスと技術は国内でもトップクラス。サロンではスタッフと客の幸せを一番に考える人柄のよさも魅力。
「人同士のつながり」を大切に、ゲストへの思いやりと真剣に向き合う姿勢をスタッフと共有し、サロンの高いリピート率を確立。
食と美容を融合させ、体の内外からのトータルビューティを提案。話題の複合ビルにて全体を統括するやり手ディレクター。
ラグジュアリーな大人サロン『SERIO本山』において、約20人のスタッフを統括。上質な技術、ホスピタリティに定評がある。
≫SERIO MOTOYAMA(本山店)のサロン求人情報を見る第1回 所見)
それぞれ、ご自身がサロンの個性を把握し、スタッフに無理なく浸透させることで確固たるサロンブランドが確立されているのが分かりました。第2回では、一人のスタイリストとして、個人的な面を追求していきたいと思います!